LUNKHEAD曲解説ブログ,  青に染まる白

未来は今ここに おだか

未来は今ここに、は
誰も知らないに続く
山下君作詞作曲の第二弾。
で、やっぱりガッチガチにデモを作ってきた。
ので、やはりアレンジ作業としては
ギターに関しては
あんまり大きく変えたところはなかったと思う。
悟がベースラインを合田節に変えたところくらいかな。
エンディングのベース、M7を主張したお洒落なフレーズだけど
よくよく聴くとかなりド変態なアレンジだと思う。

冒頭から印象的なリフが炸裂する。
山下君ぽい
というか、ギタリストが考えたぽいリフだな~と思う。
なんかこう、ギター然としているというか。
俺が考えるリフはやっぱりどうも
ボーカル然としたリフな気がする。
歌っぽいというか。
山下君のはやっぱりザ・ギター!って感じがする。
そして歌メロ。
これ、歌ってみてもらうとわかると思うんだけど
超ムズい。
なんじゃこりゃ??と思うところに音符が飛ぶ。
これもやっぱり
ギタリストが考えたメロディだなあと思う。
とても綺麗なメロディなんだけど
とにかく難しい。
しかもハモりがまた難しいメロディラインで。
なので
なんか難易度高いゲームをクリアするために頑張ってるみたいで
歌えるようになった時は嬉しかった。
Bメロの歌に対する山下君の合の手のギターフレーズとか
歌とセットみたいでとてもおいしいなあ。
あと、またもやキーが高い。
しかし改めて聴くとよくできた曲だなあ。
曲の骨格もそうだし
展開とかアレンジとか。

あと、青に染まる白の時のレコーディングの時系列があやふやになってたんだけど
泡沫とみゆきは最後にできた曲じゃなかった。どうも。
確か、三回くらいに分けてレコーディングしてたんだけど
泡沫、みゆき、未来は今ここに、あたりは
[vivo]のツアー
ビーボップハイスクールツアーの直後にやったんだと思う。
で、未来は今ここに、は
曲はもうほぼ完成していたけど
山下君は歌詞に難儀していた。
あれは忘れもしないツアー中の高松ダイムの日。
搬入終わってリハーサルして
なんかご飯食べに行こうと思ってダイムを出たら
すぐそばのドトールの窓際の席に山下君がいて
ノートを広げて真剣な顔をしていた。
で、俺は高松にてまさかのはなまるうどんを食べて帰ってきた。
そしたらさっきと何も変わらず
灰皿だけがジェラートのようになった山下君がそこにはいた。
高松が終わり新居浜に移動し
俺はいつものように山下君の実家に泊まり
忠(壮の父)も寝た頃に歌詞の話になり
どれくらい書けてるん?と聞いて見せてもらった歌詞は
なんとなくワンコーラスくらいで
しかも何を伝えたいのかよくわからない。
これは何を伝えたいの?と聞くと
山下君も、俺もよくわからない…という。
俺も山ほど経験があるけど
悩みすぎて自分が今どこにいるのかすらわからなくなるパターンだった。
誰も知らないの時は山下君の中で明確な「君」とストーリーがあったのだと思う。
けども今回はそこがモヤっとしたままだったよう。
でも表現したい世界観はちゃんとあるようだったので
そこで
この「君」はロングヘアーなんか?ショートヘアーなんか?
この「君」とお前の関係性は?
好きなんか?憧れなんか?
その子はどんな性格なん?
柔和なんか?パリッとしとんか?
背は高いんか?低いんか?
その子とは結局どうなったん?
今その子何しよるか知っとん?知らんの?
連絡先知っとんの?
この誰もいない公園はどのくらいの公園なん?
割とでかいんか?そこらへんにある公園なんか?
遊具の感じは?
その公園のどこで話してたんか?
季節は?
みたいな感じで
ディスカッションしていって
山下君の中のストーリーを明確にしていった。
山下君はそのひとつひとつに答えるたびに
おお…おお…なるほど…
と、自分の中でどんどん納得し
その表現、めっちゃええやん…!!
とヨイショすると
山下君はさらに覚醒していき
どんどん歌詞が書けていった。
そしてできたのが未来は今ここに、であるのだった。

未来は今ここに、の中で
俺がいちばん好きで
当時もここの歌詞めっちゃええやん!と言いまくったのが
いちばん最後の
うまくいくさ
という一言で
この、うまくいくさ、というたった一言に
うまくいくかわからない不安や迷い
でもやるしかない
そこに対する自分への鼓舞、決意
いろんな感情が込められていて
それをこの歌詞の締めの言葉に持ってくるのが
すごくいいなあと思ったのです。

すぐに朝が来る
うまくいくさ

俺なら使えなかったなあ、と思って
英語を話せる壮らしくもあり
(なんか欧米の人っぽくないですか?うまくいくさって
日本人あんまり言わないような気がして)
その言葉選びがとても良かった。

久々な曲縛りのライブしたいなあ。
練習が地獄だけど。。