[vivo],  LUNKHEAD曲解説ブログ

泥日 おだか

[vivo]の頃は
経費削減のためにちょいちょい壮と悟がうちに来て
曲のアレンジを考えていた。
で、ある時壮がネタを持ってきて
リフとAメロとBメロはあって
サビのコード進行もあって
でもサビメロだけがどうしても浮かばなかったと。
なのでサビメロだけ俺が考えた。
それが泥日だった。
サビを考えるにあたってコード進行もちょっと変えたんだけど
普通、F→G→ときたらそのままAmに行きそうなところを
F→Gときて一瞬Emが入るのが壮らしくて面白い。
俺なら絶対思いつかない進行だと思う。
なので全部書くと
F→G→Em→G→Am→G/B→C→D7
F→G→Em→G→Dm→Em→F→G
ってことになる。

Aメロの
ダダダッダダダダッダダダ
っていうバッキングパターンは
パンテラの何かの曲を参考にしたって言ってた。
パンテラ…すごいとこから持ってくるな…
リフとAメロのコード進行は同じようで実は違う。
元々壮が持ってきたデモだと
リフもAメロも
Am→F#→F
だった。
でもそれだとAメロのメロディに対するスケール上の都合で音がぶつかってしまう。
なのでAメロは
Am→D/F#→F
にしよう、ということになった。

展開がめまぐるしいのでほんと大変。
なんかもうハイになってて
ビール飲みながらウヒャヒャヒャとみんなでアレンジしてたらこんなことに…
2サビ後のベースソロは
THIS IS 合田悟な感じだけど
3:05あたりのフレーズが
「ちゃうの?ちゃうの?」
って言ってるように聴こえると壮が言い出してから
もうそれにしか聴こえなくなった。

泥日は「ないわつ」と読む。
意味としては涅槃と同じ
仏教における悟りの境地、って意味なんだけど
本当は泥に曰くで泥曰と書くのを
俺が読み間違えて
泥の日にしちゃった。
でもまあ、涅槃と違ってないわつと打っても変換できない
マイナーな仏教用語なので
誰かに文句を言われたことはないけども。

悟りの境地が「泥の日」だなんて
なんだか素敵だな、と思って歌詞を書いたので
そのままにしちゃっている。
昔ツイッターでもつぶやいたんだけど
日本橋ヨヲコ先生の「極東学園天国」に出てくる
国分寺先生の言葉
「本当の純粋さは汚れてから気づくのよ」
ってセリフが好きで
そこと自分の中で泥の日が繋がって。

「汚れたこの手が 抱き締めた
 温かい泥の中で
 小さな光」

まあ結局、泥日も子供のことを歌った歌詞です。
かっこいいのに、ほとんどやらなくなっちゃった。
楽しい曲ではないからなあ。
こないだ久々にやったけど、結構盛り上がってたなあ。