[vivo],  LUNKHEAD曲解説ブログ

シンドローム(前編) おだか

シンドロームはリフのバッキングの
ダッダッダダダダダダッダッダダダダダ
ってやつがまず浮かんで
それありきで曲を作っていった。
とりあえず作ったワンコーラスくらいのデモだったか
ちゃんと最後まで作ったやつか覚えてないけど
当時もうちゃんとデモを作るようになってたので
曲出しレコーディングをしなくなってて
俺のデモをみんなで聴きながら
選曲会議をしてて
俺のデモなのでもちろん悟は弾いてないんだけど
ボビーがこの曲のパッと聴きの印象をノートにメモしてて
(ボビーは各々の曲の印象をいちいちメモしてた)
それが「合田の躍動感」だった。
確かに、悟は弾いてなくても既にデモの段階で悟が見える。
ダッダッダダダダダダッダッダダダダダ
シンプルなルート音のフレーズだけど悟が見える。
俺も悟ありきで曲を作ってるから
デモとはいえ、悟に近づけて音を作る。
それがボビーには「合田の躍動感」に繋がったのかもしれない。
「合田の躍動感」まさに。
めちゃめちゃ面白い。
ライブでもシンドロームの時の悟はどの曲にも増して躍動している気がする。
というか、むしろ悟が主役な曲といっても過言ではない。
というのも
んー
これやっぱりちゃんとデモを作ったのは選曲会議の後なのかな
確か、水戸ライトハウスでのイベントから夜走りで帰ってきて
ボロボロの体にウイスキーをぶち込んで
ラリパッパな状態の深夜三時ぐらいから間奏の部分を作り始めて
インターからのギターソロからのベースソロからのまた展開していくっていう
全部のせもいいとこな節操ない展開
疲れ切っているし酔っ払ってるし
でもライブ後でハイだし、みたいな
どうせデモだし、思いついたの全部入れとけ~みたいな
結果、全部採用、みたいな
音源だと効果音がいろいろ入ってるけど
それも俺が全部打ち込んでて
この時全部やったと思う。ノリと勢いで。

その感じに合わせて壮がリフを考えた。
考えた、と言っても結局、デモに俺が適当に入れたフレーズは生きてるんだけど
そこに打ち込んだ効果音のイメージで
オクターバーをあげたりさげたり
ギュインギュインさせるっていう
普通じゃない使い方で
さらにディレイもかけちゃって
こっちも全部のせみたいな
それは全部壮のアイデアで
もはや元のフレーズドウデモイイデスみたいな

で、話は戻るけど
間奏のベースソロ

悟ならこんな感じに弾くかな?
と思って適当、でもないけど
かっこいい感じにデモでベースソロを打ち込んだんだけど
決してこの通りに弾いてほしいってわけじゃなかったんだけど
悟は完コピしてきた。
理由が
「機械に負けたくなかった」
という、もはや意味不明の理由だった。
いやいや…そこ負けるとか勝つとかじゃないでしょ…
ギターとかベースとか運指の都合もあるし
人間に弾け得るかどうかわからないでこっちも打ち込んでるんだし
(一応考えてはいるけど、デモだし適当よ)
それで機械に負けたくないってさ…
(でも本当は、デモ聴いて俺の考えたフレーズをかっこいいと思ってくれたんだと思っている
いやだって、実際ライブの悟のベースソロ、めちゃくちゃかっこいいじゃないですか???)

で、これがまた大変で
これでいくと言ったものの
実際弾くとなるとなかなかうまくいかず
レコーディングはなんとかツギハギでダビングして録ったと思う。
でもこの曲だけにあらず
悟はレコーディングの度にちょっと無理したアレンジをしてきて
必死でレコーディングして
なのでアルバムのツアーの最初はちょっと拙い。
それが後半になってくると
「おお…弾けてんじゃん…」
ってステージ上で横で見ててちょっと感動する。
そうやって悟は自分の限界値を常にあげ続けてきた。
それを20年間見続けてきた。
本当に尊敬するし
だから悟のベースが好きなんだと思う。
今のあいつのあの派手な(パフォーマンスもね)プレーは
実直で地味な
膨大な修練の積み重ねの上に成り立っているんです。
そしてそれを絶対にひけらかさないんだよな。

でも俺もそうで
常に自分の限界のキーの曲を作り続けてきたら
気づいたら初期の頃よりキーが1音半ぐらい上がってる。
初期の頃は歌が下手だ変な声だって
めちゃくちゃネットでもアンケートでも言われて
本当に死にたいくらい悔しかったけども
そうやって死に物狂いで努力しているやつが隣にいてくれたから
俺だって負けないって頑張ってこれた。
俺も、結構努力してきたんですよ。。
何もしないでうまく(うまく、と自分でいうのも躊躇われるけど)なったわけじゃなく…
一番大事な仲間でライバルが隣にいてくれて
だから切磋琢磨してここまでこれた。
今、ステージの上だけは
この世で一番俺が最高だ
と思って歌えてるのは
メンバーのおかげだあ。
ステージ下りるともうポンコツですが…

話が逸れたなあ。

山下君と桜井さんのことももちろんありますが
シンドロームは合田回ということで…
二人のことはまた今度…

歌詞は、なんていうんだろ
[vivo]の世界観の中では浮いてると思う。
リードなのに。

でも、ボビーに[vivo]の世界観は説教くさいと言われてたから
敢えてリードとして
浮いたところに持って行きたかったところもある。

シンドロームは
当時、SNSがインターネットを席巻しだした頃で
ミクシーやらマイスペースやら(爆)
でツイッターがドカンときて
なんか、みんな顔も知らない相手と仲良くしてて
だから、いざとなったらすぐ切れる関係だからいいんだろうな、とか
安易につながりを求めてるなあ…と思ってしまって
なんかそんな漠然とした気持ちを
漠然としたまま
あんまり強気なメッセージを込めないように歌詞を書いて
というのも
曲がイケイケなので
歌詞にあんまり意味があると
LUNKHEADのお客さん
ノるより聴きに行く傾向にあるので…笑
だから、俺としては意味があるんだけど
敢えて意味が伝わらないように気をつけて歌詞を書く、という
初?の試みでもあった。
シンドロームっていうタイトルは
ネット依存って意味のシンドロームでした。

最初のAメロ終わりで俺らがワッ!と叫んでるところは
俺が検索してピックアップしたエッチなサイトのサイト名を
俺と壮と悟がそれぞれ選んでそれを叫んでいます。
これ、当時のインタビューでも言ってなかったけど。
ちなみに今は悟はライブではご当地のあれやこれやを言ってるそうです。
京都! 最高! イェー!!!
みたいな。
山下君はもう
言ってるのかどうかもわかりません。

長すぎて一度に載せられないみたいなので
後編に続く…!!