LUNKHEAD曲解説ブログ,  V0X e.p

WORLD IS MINE

AT0Mの時は本当にたくさんの曲を作った。
即ボツになったやつや、メンバーに聴かせもせずにボツにした曲も含めたら
25曲くらい作ったと思う。
なので、AT0Mに入った曲は本当に、AT0Mチームの代表メンバーといった感がある。
アルバム、という一つのコンセプトの中で選ばれなかった曲もあるし
曲としてはいい曲だけどメンバー間で仕上げきれずに日の目を見なかった曲もある。
ただ、これがじゃあ、次のアルバムまでとって置くかというと
そういうわけにもなかなかいかない。
アルバムを作る時は、俺らのその時のモードがバババと出るので
古い曲がそこに入ってくると最新の俺らとちょっと合わない。
いわゆる、旬が過ぎちゃってるんです。
だけど、このままお蔵入りするにはあまりに惜しい曲がたくさんあった。
そこでボビーが、AT0Mの姉妹作として
AT0Mに入りきらなかった曲達でミニアルバムを作ったらどうか、と提案してきた。

そりゃいいな、と思って。
で、初めに手をつけたのがWORLD IS MINEだった。
WORLD IS MINEは最初、もっと構成が複雑で
龍は、どうもRADWIMPSみたいな難しい曲を作りたかったらしくて
最初の構成だと、今のAメロがAメロ、Bメロがサビ
で、割とまったりと曲が進行して
最後の最後にちょっとだけ今のサビが大サビとして出てきて激しく終わる
みたいな感じで
正直、俺も悟も壮もライブでの立ち位置にピンとこれず、ボツになってしまった。
ただ、メロディがとても良かったので
このまま終わるのは惜しいな~と実はずっと思っていた。
なので、もうめちゃくちゃわかりやすい構成で
イントロドカン!AメロBメロからのサビドカン!!
で、デモを作り直した。
コードもよりキャッチーにちょっと変えたかもしれない。
そしたらめちゃくちゃかっこよくなった。
龍が作った曲だけど
なぜか俺がドヤな感じでメンバーに聴かせた。
これは絶対龍も納得すると思った。
そして思った通り、みんな俄然ピンときた。
龍も嬉しそうだった。

そこからさらにスタジオでみんなでアレンジを詰めるんだけど
間奏をめちゃくちゃ凝った。
めちゃくちゃ凝ってめちゃくちゃかっこよくなったんだけど
これがなかなか俺のパートが難しい。
ただのアルペジオなんだけどかなり速い。
未だにライブで緊張する…
なので間奏が終わると俺の中ではもうほぼほぼエンディング気分…

WORLD IS MINEというと
俺はどうにも新井英樹先生のWORLD IS MINEが頭にまず浮かぶので
龍も読んでたん?と聞いたら、たまたまで
読んでもないし知ってすらいなかった。
歌詞の内容が新井英樹先生のWORLD IS MINEにも俺の中でリンクする部分があったので
てっきり読んでいたのかと思った。
なので1サビ最後の歌詞に龍が迷っていた時
どーんといく感じで「壊せ」ってよくない?
自分の中の壁を壊せ、みたいな感じで
と提案したら採用された。
自分の中ではやっぱ未だに新井英樹先生のWORLD IS MINEが想起される曲でもある。
(相当グロい漫画なので興味湧いて読みたいと思った方はご注意ください)

ラスサビ最後のエンディングの部分は
龍からは好きにやってくれと言われていて
俺のアドリブのフェイクなんだけど
すげーかっこいいと龍からも褒めてもらえた。
この頃から俺の歌い方が変わってきたというか
自分の中でやっと、こう歌いたいと思ったように歌える体になってきた。
自分としてはここら辺からやっとボーカルになってきたなと思う。

V0Xから俺らはビクターの第一制作という部署からフライングスターレコードという部署へ
ビクター内で移籍して、新ディレクターは遠藤君になった。
V0Xの曲が出揃ったところで遠藤君がWORLD IS MINEで勝負したいと言ってくれ
V0Xのリード曲はWORLD IS MINEになった。
なのでMVを作らねば、ということになるんだけど
ちょうど俺らはその年渋谷公会堂(その時C.C.Lemonホールだったけど)でワンマンがあって
これの映像が使えるんじゃないか、という話になり
渋谷公会堂のアンコールにて初披露となった。
で、その映像をそのままMVにしたんだけど
かなり加工されててめちゃくちゃかっこいい。
個人的には間奏の、高速道路の下を走ってる映像とソロカットの演奏シーンがかぶってるところが好き。
イントロの爆発する感じもかっこいい。
この頃の俺髪長いな~
ロン毛やな~
パーマまであてちゃって。

これ、あんまり大した理由じゃなくて
実は俺は影と煙草と僕と青の時からずーっと同じ美容師さんに髪を切ってもらってるんですね。
最初はメンバー全員切ってもらっててボビーも切ってもらってたんだけど
今はその人に切ってもらってるのは俺だけになっちゃった。
どうにも美容室という場所が苦手で
喋りかけられるのも嫌だし。
なのでずっと近所の理髪店に通ってた。それまでは。
当時LUNKHEADを手伝ってくれてたしろちゃんという女子(ボビーに合わせてくれた子)の友達が
カットモデル探してるってことで紹介してくれて。
最初の頃は営業時間後にただで切ってもらってた。
散髪代って安くないからこっちとしては願ったり叶ったりで。
その人はその後
スモールワールドや果てしなく白に近づきたい青のMV撮影でメイクで来てくれたり
いろいろ実は一緒に仕事もしていて
一緒にみんなでご飯食べたり
長いこと公私共にお世話になってるんだけど
(スペシャルサンクスにいつも入ってるアラカワトモヨさんです)
で、なんでロン毛パーマかに話は戻るんだけど
その頃アラカワさんが第一子を妊娠していて
1年間産休を取ることになって
で、他の人に切ってもらいたくない俺はどうしようと思って
じゃあ、1年髪切らないでいい髪型にしよう!ってことで
半年くらい前から準備して
整えながら伸ばして仕上げにパーマってなわけです。
そしてこの1年後のアラカワさん産休復帰第一弾が髪バッサリの金髪ブリーチっていう。

しかし、こんなに加工した映像でも
俺の歯並び見事だな。
歯並びだけは褒められるんですよね〜。

(Vo.G.小高芳太朗)