AT0M,  LUNKHEAD曲解説ブログ

トライデント

トライデントは龍の作詞作曲な訳だけど
自分で作る曲は自分のキーでちゃんと考えて作るんだけど
龍や壮が作る曲はあんまりそれを考えてこないから
めちゃくちゃキーが高かったりする。

トライデントも最初龍が作ってきた時はキーがGメジャーで
大体LUNKHEADの曲はサビのいちばん高いところがGぐらいで
たまにG#やAくらいまでは行ったりするけど
基本的にこの高さならそれなりに維持できるのがその高さなんだけど
それがトライデントは頭のAメロからずっとG
サビなんかBまで行っちゃって
なので、後生だから1音下げさせてください…と
キーをFメジャーに下げた。
LUNKHEADはFメジャースケールの曲が少ない。
というかほぼない。
俺がオープンコード(開放弦を使ったコード、押さえやすい)の響きが好きなのと
Fのスケールだとバレーコード(左手人差し指で1~6弦全部押さえるコード、いわゆるギター初心者にFの壁と呼ばれるやつ)が多くなってちょっとめんどくさい。
でも意外なところでLUNKHEADのいちばんメジャーな曲、夏の匂いがFなのです。
それとあとこのトライデントだけ。
カポタストを使えばいいだけなんだけど
なぜかLUNKHEADではカポタストを使ってはいけないという謎のしきたりがあり
(なのでソロを出す時LUNKHEADでできないこと、という理由で眠る前はカポを使った)

俺が作る曲はAメロが低くてサビで高音に展開するパターンが多くて
龍はのっけからグイグイ高いところで攻める曲を作りたかったらしい。

アレンジもめっちゃ頑張ったなあ。
頭のタイトな感じも
Aメロのアンサンブルもカッコよくできたし
間奏もめちゃくちゃ凝ってる。

サビが三声なんですね。
これはレコーディングも下が壮で上を悟が歌ってます。

それ血のブログで書き忘れたけど
下を壮がハモる時は
壮の声は俺の声と多分成分が似ててとても相性がいい。
ハダカで聴くと壮の声なんだけど
混ざると不思議と俺の声っぽく聴こえる。
それに比べて、悟の声はツヤっとしていて俺の声とあんまり相性がよくない。
ハーモニーというより別のメロディを歌っているように聴こえてしまう。
でもまあ壮は高い方は出ないので悟が歌うしかない。
で、1サビを録る。2サビを録る。ラスサビを録る。
さすがの悟もだんだん声が枯れてくる。
すると…おや…?なんか俺の声と混じりが良くなってきてるぞ??
ん~??
ポチ(ボーカルブースと会話できるトークバックボタンを押す)
「さっくん、1サビ戻ろうか」

このころの俺は鬼軍曹と呼ばれていました。

トライデントはギターリフも龍が考えたんだけど
それを説明するのが、なんと口笛っていう笑
(龍は口笛がうまかった)
シュールな光景だった。

タイトルを決めるのは結構時間がかかった気がする。
槍みたいなイメージなんよね…、と龍は言っていたけど
我々ファイナルファンタジー世代にとって槍と言えばグングニル
しかしグングニルと言ったらバンプオブチキンのド名曲
はてさてどうしたものか…と色々調べていたらたどり着いたのがトライデント
ただトライデントは三叉の槍で、なんだかちょっと田舎くさい気がした。
うーん、グングニルの方が(フォルムが)スマートだけど…
ちょっとそのいなたい感じも俺らっぽいんじゃない?ということで
晴れてタイトルはトライデントになったというわけです。

たまにやると間奏の俺と壮のハモりのギターを
俺も壮も完全に忘れているので
スタジオに入ると音出し中とかみんなが休憩してる間とかにコソコソと練習してしまう。
それがなんか我ながらマヌケ…

龍の作る曲は全部そうなんだけど
この曲も歌ってて楽しい。っていうか気持ちいい。

(Vo.G.小高芳太朗)