AT0M,  LUNKHEAD曲解説ブログ

呼吸

呼吸って、なんで呼んで吸うなんだろ?
と、いつだかふと思った。
なんで吐くじゃなくて呼ぶなんだろ?
(調べると理由が出てくるけど、
吸うを呼ぶ=吐く、呼吸は息を吐くことから始まるってことらしい)
とにかく、その呼吸って言葉が
どうも心に引っかかって
自分が最後に吐くその呼吸で俺は誰の名前を呼びたいだろうと思って
そこから曲を作り始めた。
珍しく、曲と歌詞が一緒にスイスイスイ~と浮かんで
道端に落ちてたのを拾うかのようにあっという間にできてしまった。
ただ、アレンジは大変だった。
全体的に変拍子で、A、Bメロは4拍子2拍子、サビがハチロク
Bメロからサビへのつなぎがなかなかうまくいかなくて
ボビーはAT0Mに呼吸を入れることに反対してた。
もっとしっかり練った方がいいんじゃないの?と。
で、やっと俺らが納得できるアレンジに仕上がっても
まだなんかぶブツブツ言ってた気もする。
ただ、俺はこの呼吸という曲が
歌詞も曲も気にいっている、というレベルでなく
自分にとってめちゃくちゃ大事な曲で
自分の中ではラブ・ソングを軽く超えていってしまった曲なので
これは今絶対に収録しなければいけない、という使命感があった。
次なんてないかもしれないのだし。

歌詞のことは
聴いてもらえたらそれがすべてなので
あんまり説明することがない。

俺が結構変なアルペジオを弾いてて
それありきでみんなにアレンジしてもらったんだけど
山下君に
「ポップでキャッチーでクレイジーなリフお願いします」
と言ったなあ。嫌な顔されたなあ。
リフからAメロ、Bメロはずっと
Fadd9→Am7の繰り返しなんだけど
押さえ方がちょっと変で
Fadd9は
5弦8フレ4弦7フレ3弦開放2弦8フレ1弦開放
これを54342341342の順にアルペジオしている(最後の2弦は開放)
そうすると
ファラソラソソラミソラシ
というフレーズになる。
普通に押さえるとギターは
6弦から1弦に向かって音が高くなっていくんだけど
そこそこハイポジションで押さえてる中で開放弦を使ってるので
3弦よりも4弦の方が高い音に、1弦よりも2弦の方が高い音になってる。
なので油断するとこんがらがる。
この開放弦を使ったハイポジのアルペジオ、L’Arc~en~Cielのkenさんがよくやってて
高校時代GIGSとかバンドやろうぜのラルク特集なんかで
kenさんのフレーズが載ってるのをよくコピーしてて
(虹のアルペジオはめちゃくちゃ練習したな…)
なるほど~こんなやり方があるのか~と思ってた。
開放弦使ったコードはナンバーガールにも多いし
いろんなことが繋がってLUNKHEADにもめちゃくちゃ多い。
いろんな人の影響なんだなあ。

曲も歌詞も自分としては100点中200点くらいの出来なんだけど
いかんせん、ノって聴くのかしっとりと聴くのかビミョーなテンポ感なので
(まあ、しっとりと聴く人のほうが多いと思うけど…)
そんなにライブでやることは多い方ではない。
でも割とやってるのかなあ?

こうして聴くとAT0Mはシリアスな曲が多い。
こんなに重たかったっけかな…
アレンジがパカーンとした曲が多いから当時はあまり思わなかったけど
なんか…よくよく聴くとクソ真面目なアルバムだな~

(Vo.G.小高芳太朗)