消えたプレヤード
誰もいない国領川
という歌詞が印象的な曲です。
国領川は
我らが愛媛県新居浜市のど真ん中を南北にぶった切る
二級河川です。
二級河川といっても結構な川で
河川敷も含めると数百メートルあるんじゃないだろうか。
結構な川です。
小学校のサッカー教室も中学のサッカー部も
大会といえばこの国領川の河川敷の運動競技場だった。
新居浜で暮らしていた18年間の中で
数え切れないほどの時間をこの国領川で過ごしてきました。
自分にとっての新居浜の原風景の中で
国領川の割合はかなり大きい。
と、大風呂敷を広げといてなんですが
あんまり曲には関係ない。
関係ない、ことはないか。。
中学のサッカー部だと
試合が終わるのはいつももう夕暮れ時だった。
そして川沿いの駄菓子屋で
タラタラしてんじゃね～よっていうタラのすり身の駄菓子や
BIGカツや、うまい棒や、ヤッター麺やキャベツ太郎を
泥だらけでみんなで食べてた。
アンバサとかメローイエローとか飲みながら。
そして気づいたら夜がもう背中まで忍び寄っていて
なんだか
なんだか寂しいような、少し不安なような
そういう心持ちで自転車を漕いで帰路につく。
そんなことを
あの日々の光景をふとした時に突然思い出したりする。
別に感傷に耽るでもなく、唐突に。
良い思い出というわけでもないし
なんてことない記憶なんだけど
昼の活気にあふれていた河川敷が
道端に捨てられた空き缶みたいに
この世のすべてに忘れられたみたいに
夜に染まっていくその風景が
なんだかひどく心に沁みた。
多分、そういうぼやっとした曖昧な
曖昧なうら寂しさを思い出して歌詞を書いた。
なんてことない歌詞なんだけど
あんまり意味もないし
ほとんど風景描写だし
でも個人的にはとても好きな歌詞なんです。
最後の最後にあの子が出てくるところも。
あの子は別に多分、好きな子とかじゃなくて
知り合いですらなくて
たまたますれ違っただけの女の子だったりで
その子がきっと泣いていて
誰もいない国領川でふと
昼にすれ違った女の子を思い出して
あの子は誰のために泣いていたのか、なんて
真剣に考えるでもなく、ただふと思った
みたいな。
本当に他愛もない歌詞なんだけど気に入っている。
最近じゃほとんど新居浜でしかやってないけど。。。
曲も自分としては快心の出来だと思って
当時インタ－FMでレギュラーをやらせてもらっていたんだけど
そのスタジオの裏でメンバーに
シングル曲でもいける曲できたわ！！と伝えた。
でもメンバーはあんまりピンとこなかった…
かっこいいけど、まあ、シングルではないかな、的な。
結構ね、凝ってるんだけど
サビのコード感とか実はとても複雑で
DM7→E→F#m7
D69→E6→E→A→C#
DM7→E→F#m7
D69→E6→E→F#sus4→F#
っていう、表記合ってるのか知らんけど
前半のDM7→E→F#m7はオープンコードで
D69は5弦5フレ4弦4フレ3弦4フレ2弦5フレの
レファ#シミ
E6は5弦7フレ4弦6フレ3弦6フレ2弦9フレの
ミソ#ド#ミ
そこから5弦7の432弦9フレのEに行って
普通にA→C#
後半の最後はそのままルート5弦9フレF#押さえのF#sus4からのF#
これ、本当に綺麗なコード進行なので
ギターやってる人は是非弾いてみてほしい。
コード弾くだけですごく気持ちいいのです。
消えたプレヤードって言葉を検索すると
ほぼほぼLUNKHEADしか出てこなくてビビる。
ありがたい。
こんなマニアックな曲なのに。。
消えたプレヤードという言葉をみんなご存知だろうか。
これは実は、星の名前なのです。
消えたプレヤードっていう星。
ただ、これが面倒くさい話で
消えたプレヤードっていう星は実在しないんです。
実在しない星に名前がついちゃってるんです。
娯楽の少ない時代にギリシャの人たちが夜空の星を見て
いろいろ妄想して神話を元に星座を作ってくれたじゃないですか。
で、その中でプレアデス星団ってのがあって
どうも6つしか星がないんだけど
神話では7人姉妹なんだそうで
そのうちのひとりが神様なのに人間の男を好きになっちゃって
それを恥じて姿を消したとか
それで星は6つしかないんだけど
本当は7つのはずだったから
その存在しない7つ目の星のことを消えたプレヤードと呼ぶんですって。
面白いなあ。
残された6人の姉妹は泣き崩れちゃって
そのせいでプレアデス星団は青白くぼやけてよく見えないそうです。
夜に侵食されていく国領川のからっぽな感じと
泣いていたあの子と
本当は存在しない消えたプレヤードの話が重なって
なんだかいいな、とタイトルにしてしまった。
最初ちょっと、ハードロックの曲の邦題みたいでダサいかな…
と思ったけど
いつの間にかしっくりきてた。
ALL TIME SUPER TOURでもやるだろうな。
新居浜以外でやるかな。どうかな。
盛り上がってくれるかな。
(Vo.G.小高芳太朗)