LUNKHEAD曲解説ブログ,  孵化

BRAVE SONG

その間5メートルのブログでも言ったかしら?
俺は、LUNKHEADを始めて早々に
僕と樹という曲を作ってしまって
それ以来6/8拍子(通称ハチロクという)の曲が作れなくなってしまった。
作ろうとするんだけど
どうにも、僕と樹に勝てない。
別に勝ち負けじゃないんだけど
自分の中でこう、納得できる曲にならなくて
なのでハチロクの曲は僕と樹以降全然できなかった。
で、いよいよ自分の殻をぶっ壊したい!!
と思って作ったのがBRAVE SONGだった。

全体の構成としてはとてもシンプルだし
あんまり凝ったことはしてない。
泥臭くていなたくてダサい曲だなあと思う。
でもそうでなくてはいけなかった曲だとも思う。
これは、新居浜を旅立つ時の俺のことを歌った歌だから。
早朝でもなかったし歌も歌ってなかったけど
それからだいぶ時間が経って
俺はバンドマンになって
メジャーデビューして
そんなに売れなかったので
ツアーも当日入りできる場所だと前乗りの経費ケチって
朝6時集合とかだとまだ暗いうちに家を出る。
朝早く起きるのはなかなか辛いけど
冬の、夜と朝が入り混じったあの早朝の空気は今でも好きだ。
陽の光が遠くからやっと届いて、暗闇がだんだんと力を失っていくような
誰もいなくて
カラスが鳴いてて
静かだからか昼よりも残響が多い。
耳が冷たすぎて逆に熱い感じがする。
ああ、始まっていくのだな
戦うのだな
という気分になる、あの空気が好きだ。
その時に心の中で歌っていたあの歌は…
ナイショだ。

曲のアレンジに関してはなんだろ?
あんまり特筆することがない。
サビのコード進行がちょっと凝ってて
前半と後半で変わっていく。
前半が
D→A→Bm→F#m→G→D→A
っていう、いわゆるゴールデン進行なんだけど
後半は
D→A→Bm→G→A→Bm→G
って感じにお尻のところがちょっとドラマチックに変化している。

この曲も男気ソングなので
割とセットリストの中に組み込みにくい。
ヘチョナヨソングが多いので…
なのであんまりライブで出番がない。

ALL TIME SUPER TOUR初日の松本で久々にやったけど
好きな人が結構いるんだなあ。
またやりたいなあ。

この曲は(ていうかこの曲も)タイトルをとても悩んだ。
ビクターの会議室でみんなで話してて
なんか、こう、日本語じゃない気がする…
みたいなことを俺以外のメンバーが話してて
なんか、こう、ケツを叩いてくれる歌、みたいなことを
うまいこと言えないものか…と途方に暮れていた時に
ディレクターの菊池さんがぽそっと
「ブレイブソング…」
とつぶやいて
そ、それや~!!まさにそれや~!!
となって
そんでBRAVE SONGになったという。
タイトルまでダサいけどとても気に入ってる。
さらりと書いてるけど
タイトル決めが暗礁に乗り上げた時の雰囲気ったら最悪です。
アルバムタイトルを決める時とかも。
孵化だってめちゃくちゃ大変だった。
最終的に孵化は龍のアイデアだったかな?
その頃はまだツアータイトルを全力でふざけてたので
孵化→フカ(サメ)→YOUはシャーク(北斗の拳、愛をとりもどせ!!のYouはShockのダジャレ)の流れで
ツアータイトルが
ヒレを取り戻せ東名阪ツアーだったり
背ビレvs尾ビレ対バンツアーだったりになった。
これもどちらも龍の意見だったけど
これ、本当に大真面目に
ビクターの会議室のホワイトボードに書き出して
真顔でプレゼンしてたのです。

やっと孵化が終わった…

次からはいよいよAT0M。
AT0Mからは結構最近って感じがするんだけど
なんと…10年前なのか…
やっと折り返し…

 

(Vo.G.小高芳太朗)