AT0M,  LUNKHEAD曲解説ブログ

花は生きることを迷わない

なんといってもイントロが印象的っていうか
すごいかっこいいと思う。
なんでこれが思いついたのか自分でもよく解らない。
ある日の夜更け、ベロベロでギターを弾いてたら
突然頭の中にこのイントロが鳴って
ちょっと俺天才なんじゃないかと思ってしまった。
このイントロはもう完全にそのままみんなにイメージ通りに演奏してもらった。
この時は多分、まだデモを作る前だったから
口頭とギター1本で伝えて
ベースはこうやって弾いてドラムはこんな風で、って感じだったと思う。
よく伝わったな…
イントロ後半の部分は
もうトチ狂ったようにめちゃくちゃに激しく弾いてくれ
と山下君にお願いしたんだけど
やっぱ山下君は弾けちゃう人だから無茶苦茶に弾くのは逆に難しかったと思う。
俺のようななんちゃっての人間だと逆に楽なんだけど。
で、俺はずっと同じコードを弾いてるんだけど
これ実は白い声の頭のアルペジオと同じコードで
4弦4フレット、3弦4フレット、1、2弦開放
これをずーっとかき鳴らしているだけ
楽させてもらっております。
ギター二人がカオスなのでここは悟がひたすらルート番長をしてる。
というか、ルートがすでにメインフレーズなので
実は悟がリフを弾いていると言ってもいい。
ナンバーガールでもよくあるパターンで。
NUM-AMI-DABUTZとか。
なのでやっぱりここにもナンバーガールイズムが滲み出ているのだナァと思う。

多分、曲はそのままスルスルと出来ていった気がする。
全体的に緊張感のあるコード感でソリッドな曲だと思う。
サビもずっと1、2弦は開放でシとミが鳴ってて
これはDメジャースケールなので
そこに6度のシがなり続けるとダーティな印象になるし
2度のミが入り続けると浮遊感のある印象になる(と俺は思う)
その隠し味がこの曲の緊張感をぐっと増す要素になっている(と俺は思う)
シンプルな展開のようで意外に凝ってて
エンディングとかも無駄に出てくる3拍子。
これ、普通に4拍子でよくない?と思うけど
4拍子だと間延びしてしまうかもしれないな
と、音源を聴くと思う。
必要があっての3拍子だったんだなあ。

うーん、かっこいい曲だ。
ライブでも結構やってたんだけど
いつの間にか出番が減って
気づいたら随分ご無沙汰なんじゃないかしら。

やるかどうかは置いといて
一応ツアーのスタジオ練習でも合わせてたんだけど
やるかな?どうかな?
どこでやるかな??

この曲はどうにも歌詞が難産だった。
書けなくて書けなくて
胃がちぎれそうだった。
曲出しレコーディングの時に
適当にサビをナンマイダーナンマイダー歌ってたら
めちゃくちゃパンチあるな!って話になって
でもさすがにナンマイダーナンマイダーじゃダメだから
と思ったけど
どうやってもナンマイダーナンマイダー以上にキャッチーにならない。
自分のふざけにやられるパターン
で、たどり着いたのが
known/my/dawn から known/my/dead
っていう。
ダジャレか!!
でもちゃんと意味があって
known/my/dawn
自分の夜明けを知っている(自分が生まれてきたことを知っている)
known/my/dead
自分の死を知っている(いつか死ぬことを知っている)
俺らは
生まれてきたこと、いつか死ぬことを知ってしまっているから
いろんな余計なことを考えてしまうし
迷ったり悩んだりしてしまうんじゃないか
死にたいと思ったりするんじゃないか
花はそれを知らないから
今生きていることを迷わないんじゃないか
花の方がよっぽど人間より
生き物として完全なんじゃないか
unknown/my/dawn unknown/my/dead
生まれてきたことも死ぬことも知らない花が咲いている

と、ナンマイダーからえらく哲学してしまった。
というか、そもそもナンマイダーの意味自体が哲学なので
遠からず、といった感じかもしれない。

そして今気づいた。
ナンバーガールのNUM-AMI-DABUTZみたいなイントロで
歌詞がナンマイダーから導かれたっていう
このまさかの二つの南無阿弥陀仏が交錯する奇跡!!

でもまあ、いろんなことは置いといて
苦しんだ分とてもかっこいい歌詞が書けたと思う。
言葉の展開とか。
踏切の音をカンカンじゃなく貫々って表現したり
命の鼓動を頑々って表現したり
踏切の音ってつん裂くような音だし
心臓は俺らがどんなに死にたいと思っても
頑なに鳴り続ける
そういうのを当て字で表現したわけだけど
小賢しいけど気に入ってる。
ちなみに、

今、貫々と ただ、貫々と
鳴り響いた踏切の音

のところ、龍がライドシンバルのカップを叩いて
踏切の音を表現してます。
よーく聞くとわかります。
龍はよくこういうギミックをやってたんですよね。
夜行バスの時計の音とか。

さあ、ツアーでやるかな~?
どこでやるかな~?
盛り上がるかな~??

 

(Vo.G.小高芳太朗)