FORCE,  LUNKHEAD曲解説ブログ,  アルバム

眠れない夜の事

眠れない夜の事はどこからできたんだっけ…
リフだった気がするんだけど…
ものすごいシンプルなリフだけど(ギター始めて初日の初心者でも弾ける)
名リフだと思っている。
こんなクソ簡単なリフを山下君に弾いてもらうのはちょっと気がひけるんだけども。
最近あんまり(というか全然)やってないけど
地味な曲の割にメンバー関係者内評価が高かったと思う。
こういうミディアムテンポのアンニュイな曲って
各アルバムの中に必ず一曲は入ってるんだけど
そのせいでそのタイトルのツアーが終わるとなかなか出番が少なくなってしまう。
というのもやっぱりそれぞれのアルバムツアーだと
そのアルバムの中のアンニュイ曲をやらなけばだし
かといってこの手の曲が続くと胃もたれ感がある。
だからワンマンですらやっぱり早い曲が多くなって
ミディアム、スローな曲はよっぽどじゃないと
レギュラーに選ばれない。
実はこのポジションはLUNKHEADの中で最も激選区なのだ…!!
ALL TIME SUPER TOURはリリースツアーでもあるけど
なんせオールタイムベストツアーでもあるので
これはやれるんじゃないか!?
今聴いてもよくできた曲だなあ~。
全編通して小高大好きメジャー7がちりばめられてて
それがこの独特のメランコリックさを醸してる。
1番はBメロがあるんだけど2番は敢えてBメロをなくした。
これも、ダレずに聴けるようにって理由と
1番はBメロで落としてワンクッションあけるところを
2番はいきなりサビにいっちゃうことで切迫感を出す
っていう理由とがある。
ただBメロを削っただけなんだけど
2サビ前のスネアの連打がキモで(U2感あるな…)
あそこでハッとさせる感じがとてもよい
(って話をもし桜井さんにしたらここで間髪入れずハッとしてグー!!と言うと思う)
あと、ギターソロは
EメジャーからGメジャーに転調してて
これは同主調ってやつですな。
この流れがとても綺麗で好き。
ここよくできたな~
珍しくベースがとてもシンプル。
音もフレーズも。
サビとかほとんどルートしか弾いてないし。
ギターが結構テンションコードが多いので
ベースがルート支えてないと破綻するからってことで
鑑みてくれたのだろうきっと。

歌詞は、結構大変だった気がする。
このころはどの曲も全部大変だった。
というか、このころだけじゃなく20年間ずっと大変だった。そういえば。。
僕はロボットなんじゃないのか?とか
みんないつか死んでしまうとか
こういうこと、みんな眠れない夜に一度は思ったことあるんじゃないのかなあ?
俺らが小さい時
日本はノストラダムスの大予言に席巻されていて
もれなく俺らは1999年の7月に死ぬんだと思っていた。
結構みんな本気で信じていた。
それを思うと怖くて怖くて仕方なかった。
当時新居浜にいた俺は盆暮れは千葉の母方の実家に帰り
ばあちゃんと一緒に寝るのが恒例だった。
ある時の夜
千葉の実家で眠れない俺はナツメ電球の弱いオレンジの光を見ながら
ノストラダムスの大予言の事を思いながら泣いていた。
恐ろしすぎて誰にも言えなかった。
優しいものに触れていると逆に怖くなってしまうんだよな。

もっともっと遡って
多分、3歳か、4歳か
(結構びっくりされるけど千葉で生まれた俺は2歳で新居浜に引っ越し、そこからの記憶はほぼ全部ある。ただ最近の記憶は危うい。)
新居浜の王子アパートの寝室で
俺はどうにも眠れなくて襖を開けて泣きながら居間にいる父母の元にいった。
父母は大人タイムで
さきイカとかおつまみを食べながら晩酌してて
怒られるかな?と思ったら
なんだかめっちゃ優しく抱っこしてくれて
しかもなんとつまみまで食べさせてくれたのだった!
(酒は飲ましてくれんかった)
姉は寝ていたので
なんだか俺だけ申し訳ないなという優越感でとてもいい気分だった。
あの頃俺は絶対的なものに守られて生きていた。
おっかないお母ちゃんと愛想のないお父ちゃんに守られて生きていた。
(子供の頃は親のことをお母ちゃんお父ちゃんと呼んでいた!その後オカンオトンとなり今ではお母さんお父さんと呼んでいる)
大人になった自分は自分の力で生きていかなければいけない。
たまにどうしようもなく寂しくなってしまう夜があった。
俺はまだ26歳だったのだ。
それでも明日が来る。
1番と2番は
独りぼっちの朝が来なくてすむように
と歌っているけど
最後は
独りぼっちの朝も寂しくないように
と結んでいるのは
それでもきっと来る朝のことを思っているのです。
めっちゃめんどくさくわかりづらい表現だけど
最後で前を向いてるっていうか
前を向いてるほどでもないか…
明日のことを思いながら寝落ちする感じ?
うーん…なんていうか、やっぱりちょっと開けて終わりたかった。
淡い一筋の光だけど

ただ、このころの俺には
独りぼっちの朝は少なかった。
だいたい起きたら
独りぼっちの昼だった。。

(Vo.G.小高芳太朗)