FORCE,  LUNKHEAD曲解説ブログ,  アルバム

ガラス玉

ガラス玉は何と言っても
リフのズンチャカズズチャ ズンチャカズズチャ
っていうリズムが印象的だと思うんだけど
実はここは最初は普通にサビと同じ四つ打ちだった。
そこに山下君が考えてきたリフのメロディが乗った時
四つ打ちだとなんか違うな…ってなって
そんで龍がズンチャカズズチャって叩きだして
それだー!!ってなったんだけど
最初みんなちょっと恥ずかしかった気がする。
ギターもコーラスをかけちゃったりして
90年代かよ…笑、みたいな。
仮タイトルは七瀬だった。
ズンチャカズズチャが相川七瀬みたいだから
という身も蓋もない理由で。
その時はちょっと恥ずかしかったんだけど
これが見事にハマって
サビとサビ以外のメリハリがついて
歌詞のメランコリックな雰囲気ともよりマッチしたと思う。
歌詞もとても気に入っている。
鈍色(にびいろ)の空ってところが特に気に入ってる。
誰かの涙流れて紫陽花も青く染まるってとこも気に入ってる。
空に帰ってまたいつか降り注ぐってとこも気に入ってる。
要は全部気に入ってる。

サビ始まりの曲は
インディゴとか朔日もそうだけど
展開的に二番を作るとダレるので
一番の後次に展開させちゃうことが多い。
ランドリーとか、ヒナタとか
1番から間奏に行って2番みたいなパターンもあるし
十六夜とかスターマインとか
葉桜ファイターとかいつかのとか
夏の匂いとか明日とか
サビ始まりでも1番2番があって間奏があって最後サビがある曲ももちろんある。
ケースバイケースです。
聴いててダレずに最後まで聴ききれる塩梅をみんなで考えながら
曲の構成や展開は作っていきます。
曲の長さも気にしてます。
最近は4分超えるとドキドキし始めます。
速い曲は特に。

この頃はよく
曲がたまるとクロスロードスタジオでプリプロさせてもらってた。
と言ってもワンコーラスだけのものだったり
歌詞がないからラララで歌ったり
っていう話をつばきののりちゃんに飲んでる時に話したら
笑いながら
小高くん、それはプリプロじゃなくて曲出しだよ
と言われた。
そうだったのか。
とにかくその曲出しで録音したデモを聴きながら
みんなでどの曲をアルバムに入れるのか
どんな風に詰めていくのかをミーティングしていた。
曲出しの時点ではボビーはガラス玉にあんまりピンときていなかったけど
レコーディングが終わってミックスも終わって
みんなでトラックダウンされたものを聴いている時
ニヤニヤしながら
この曲は化けると思ってたんだよね~♪
などと調子のいいことを言い出した時は
たいそうイラッときた。
ボビーこの曲気に入ってなかったですよね?
と言ったら
それはさ!そういうもんじゃん!!
などと言うのでさらにイラッときた。

実際、ガラス玉はリリースした当時から人気が高かったと思う。
リリースから10年以上経つけど
常にライブでもよくやってきたし
女子人気が高い割にライブで盛り上がるできる子だった。

だけどいつだか
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
のMAD動画でガラス玉を使ってくれたやつが
ニコニコ動画で上がってて
それがとっても素敵で
結構それがバズってガラス玉もいろんな人に認知されて
なおさら盛り上がるようになった。

やっぱりアニメは偉大だな~

ガラス玉を作った頃は俺はまだ26歳で
大事な人の死をそんなに経験しているわけではなかったので
この曲の歌詞の「あなた」は死別しているわけではない。
単純にもうこの先の人生で二度と交わることのない「あなた」を歌っているだけだ。
なんだけど
「あの花」のMAD動画を見ると
ストーリーとめちゃくちゃ合ってて鳥肌が立った。

ニコニコ動画から消えちゃったんだけど
一時YouTubeでも見れたんだけど
それも消されちゃったみたい。

権利関係とかいろいろと難しいけど
そうやってどこかの誰か一個人が作ってくれたもので
LUNKHEADってバンドを全然知らなかった人に出会ってもらえるのは
本当にありがたいことだなあと思う。

あれまた見たいなあ。

ガラス玉はアルペジオの歌始まりなので
実は割と結構緊張する。
意外とあのアルペジオ難しいのよね。。
センターピックアップでクリーントーンでアルペジオ弾いて
鈍色の空からガラス玉の後2拍でセンターをリアに切り替えつつ
足元のディストーションを踏んでグリスダウンしながら
忘れたふりしたって消えない消えない傷跡に向かうっていう
結構面倒臭いことをしてるので
頭サビ終わってリフに入るとほぼほぼ
よっしゃー!!
という気持ちになる。

オリジナル版とREACT版とを聴き比べてみると
リフのコーラス具合がREACT版の方がだいぶエグい。
それが良い。
あと、アウトロでリフ弾いてるはずのところで
ソロ弾きまくってる。
それも良い。

(Vo.G.小高芳太朗)