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プルケリマ

2005年6月
月と手のひらが出たばかりで
そのための全国リリースツアー
月とすっぴんツアーが始まる直前だというのに
LUNKHEADはまたもや山中湖で
曲作り合宿をしていた。
曲作り合宿は正直言って楽しい。
音楽の事だけ考えられるし
ご飯美味しいし
ビリヤード台とかあるし
プレッシャーとかもあるけど
楽しいが勝ってたなあ
あの頃はそんな事ができる予算もあった…

で、合宿中に結構曲ができていた。
この合宿中にできた曲達が
ミニアルバム「プルケリマ」に収録されるわけだけど
本当はシングルを切るはずだったのが
曲がいっぱいできたのでじゃあミニアルバムにしちゃおうよ!と
ボビーとディレクターナベさんとアー担姉帯さんが盛り上がっちゃったのだった。
曲を作りためておくことを知らないLUNKHEAD首脳陣……

しかしこの時点で肝心のプルケリマはまだできてなかった。

合宿が終わって
家に帰ってきて
ふぅー…と一息ついてテレビをつけたら
ミュージックステーションやってて
椿屋四重奏が出てた。
おお〜すげ〜な〜と思って裕ちゃん達の勇姿を見て
そんでなんとなくギターをぽろんと弾いたら
するするするっと曲が降りてきて
ああ、これだな〜と。
それでできちゃったのだ。
みんなに聴かせたらやっぱり
ああ、これだね〜と。

歌詞は何回か書き直したなあ。
柳沼行さんのふたつのスピカが好きで
その中に連星のエピソードが何度も出てくる。
(遠すぎて、ひとつの星に見えるけど
実はふたつの星がお互いの重力で引かれあって
軌道運動している星の事を連星という
その様相から双子星とも呼ばれる)
それが素敵で、
連星をテーマに歌詞を書いた。

連星
互いの重力と遠心力のバランスが
何かの弾みでズレた瞬間
お互いの遠心力で
ふたつの星は永遠に離れ続けて
二度と巡り合うことはない。

プルケリマの僕と君は
多分きっともう
二度と巡り合うことはないんだろう
恋愛なのか、友情なのか、死別なのか
だけど、かけがえのない時間を共有した
その事実は
その思い出は
消えることはない。

最も敬愛する日本橋ヨヲコ先生の漫画は
過去作の主要な登場人物が今の作品で脇役として登場するんだけど
その世界感がとても好きで
LUNKHEADでもそれを描いてきた。
相変わらず煙草と僕と青い夜
は、影と煙草と僕と青
すれ違う親子 手を繋ぐ二人
は、月と手のひら

その後も、いろんな曲で登場することになる…

タイトルを考えてた時
やっぱり
ふたつのスピカから歌詞を書いたから
スピカがよかったんだけど
だがしかし、この宇宙にはすでに
スピッツ大先輩のスピカという偉大な曲が存在した。
スピカはマズい…
なんかいい感じの連星ないんか!!
と、みんなで調べたら
プルケリマ、が、見つかった。
ラテン語で
最も美しい物
という意味で
青の星と黄色の星の連星だそうだ。

プルケリマ
当時はあんまりしっくりきてなかった。実は。
けどもういつのまにか
すっかりプルケリマだね。
プルケリマ以外の何者でもないね。

中学の頃、数学の塾に通っていて
古閑君という友達といつも一緒に帰っていた。
めちゃくちゃ仲良しというほどでもないけど
普通に友達な古閑君
帰り道に通っていた小学校の横を通るんだけど
ある日校庭に忍び込んで二人で寝っ転がって空を見ていた。
ただ夜空をぼ〜っと見ていると
びっくりするほど流れ星が見えて
びっくりした。
歌詞を書きながら
あの日の夜空を思い出していた。

(Vo.G.小高芳太朗)