LUNKHEAD曲解説ブログ,  カナリア ボックス,  シングル

No.6

悟が、俺のブログを受けて
昔の事をよく覚えていて感心すると書いてくれてるけど
ろくでもない事だけはすごい覚えてるなと
自分でも思う。
3歳くらい?物心ついてからの記憶はほぼある。
人生のほとんどを覚えている。
その代わり、最近の大事な事を今はよく忘れる。
ツアーで、明大前集合なのに事務所に行っちゃって
急いで明大前に向かったら桜井さんに
「昨日練習の後さっくんに小高が明日事務所集合だよね?って聞いてて、いや明大前だよってちゃんとさっくん言ってたからね」
って聞かされた時は
まじでやべーやつじゃん俺…とヘコんだものだ。
その点悟はそこらへんのケアがすごい。
音楽とか置いといてまず
人間としてこのメンバーでよかったとほんとに思う。

そんなことよりNo.6
カナリアボックスのカップリング曲
かっこいい曲なのに
カップリングにしてしまったので
全然日の目を見なかった。
ボビーが
なんでこの曲をカップリングにしてしまったんだ〜!!
と後で嘆いていた。
カナリアボックスがアレだったので
俺らちゃんとヒリヒリしてるよ!!変わってないよ!!的な
帳尻を合わせようとしていたところはあったと思う。
それでも未だに好きな人がビミョーにいるので
年1くらいでやってる気がする。

この頃からよく、クロスロードスタジオで曲だしレコーディングというのをやらせてもらっていて
プリプロほどちゃんとしてないワンコーラスだけで歌はラララとかで
要はどんな曲かとりあえず音にしてみる的な
どの曲をシングルにするか、アルバムに入れるか、ボツにするか、みたいな選曲会議の材料として使う
言ってみればデモ作りREC?
今じゃ自分で家でできてしまうので
わざわざ曲だしレコーディングはしなくなってしまったけど。
(俺らはこれをプリプロと呼んでいたけど、ある日つばきののりちゃんと飲んでる時にその話をしたらのりちゃんに、小高くん、それプリプロじゃなくて曲だしだよ、と言われて、そうか!これはプリプロじゃなくて曲だしだったのか!言われてみれば確かに!と気づいたのだった)
で、レコーディングが終わるといつも
クロスロード井上さんの奥さん
井上”マダム”敦子(各アルバムクレジット参照)が作ってくれる
クロスロードスタジオ名物マダム飯(豪華!)をいただきながらみんなで仮タイトルを考えるのが通例になっていた。
仮タイトルを付ける前はそのタームでできた曲順に、No.1、No.2と便宜上呼んでいるんだけど
No.6は誰も何も思い浮かばなくて悔しくもNo.6のままだった。(世に出る事もないバカみたいな仮タイトルを、場の空気が悪くなるくらい本当に真剣に4人で考えていた。)
で本タイトルを考えてた時に龍が
No.6でええんやない?すごいロックな曲やから
と言ったのでそのままNo.6に決まってしまった。
でもそのエピソードもカッコいいので
インタビューでも龍がドヤ顔でよく話していた。
(仮タイトルの話はカッコ悪いのでもちろんしてない)

カナリアボックスがかなり凝った音で
打ち込みもハデだしギターもかなり重ねたので
先に書いた通りその反動で
No.6はとてもシンプルかつ
無骨でストイックなアレンジになった。
その分一人一人の音色が際立っているし
一見好き勝手やってるように見えて
それらが絶妙に曲を構成する
アンサンブルの妙が面白い。
ジャンプで、犬と猿、水と油だった大嫌いなライバルが
強大な敵が現れて仕方なく手を組んだら
めちゃくちゃ息が合ってんじゃん俺ら(ありがち)
みたいな、感じ?
そういう、ロック感が
ビミョーにいるNo.6好きの人達を惹きつけるのかも、しれない。

歌詞はもう、なんか曲に呼ばれて
ライブ中のアドレナリンドーパミンドプドプの時の自分らのことを歌ってる。
いやもうほんと、こんな感じになる。
ほんとに悩んでる事とかもどうでもよくなるし
ムカついてた事とかもどうでもよくなる。
それどころじゃないから。
なんというか、ライブ中の自分達は
ものすごく生きてる、というか
めちゃくちゃ生きてるっていうか
表現がバカみたいだな…
虫眼鏡で太陽の光を集めるみたいに
その瞬間を、ライブをするという事に
集中して鋭く生きている感覚。
それ以外の事は全部無くなる。
(ステージの上だけはカッコいい、というかステージおりたら…とよく言われるのもそのせいか…)
だから、最近よく言うけど
喧嘩しててもライブの後は仲直りしてるってやつ。
仲直りというより、喧嘩してた事すらなんかもう違う世界の出来事のような気がしてしまう。

だから俺は、音楽があってよかったとかバンドやっててよかったとかよりも
LUNKHEADやっててよかった
って思っちゃうんだよな。
メンバーは違うと思うけど
俺は、音楽よりもバンドよりも
LUNKHEADが真ん中に来ちゃうんです。
LUNKHEADありきなんだす。
音楽もバンドも。

(Vo.G.小高芳太朗)