ENTRANCE 〜BEST OF LUNKHEAD age18-27〜,  LUNKHEAD曲解説ブログ,  アルバム,  シングル,  体温,  月と手のひら

ハイライト

ハイライトは地図が出るか出ないかぐらいの時からリフだけあった。
なんか変なリフで
キーはDのはずなのにDのメジャースケールじゃない。
Dのメジャースケールだと
レミファ#ソラシド#レ
のはずだけど
ラーラソ#ソ#ーミーレド#レド#ー
ってフレーズになってて
どう考えてもソ#がぶつかってる。
なのに合って聴こえる。
多分、理論的に説明がつく話なんだけど
どうにも独学なのでよくわからない。
けど合う。
ちなみに、アウトロではまったく同じメロディが
Dのメジャースケールにのっとって
レーレド#ド#ーラーソファ#ソファ#ー
と入ってくるところが
ミソなんだな!
AメロもDのメジャースケールなはずなのに
Gのメジャースケール的な響きに聴こえる。
嫌われたくないから僕は、の「は」
がGで
DメジャースケールにおけるGの音って
経過音的な響きのはずなのに
着地感がある。
自分で作っておいてなんだけど
不思議だ。
これも多分、理論的に説明がつくんだと思うけど。
平行調とか同主調とか属調とか近親調とか
そういうやつで。
リフの話は属調で、Aメロの理屈は下属調なのかな?
でもこういう理論はロックバンドはかじっとく程度でよいと思う。
ちゃんと勉強しなくて。
感覚が大事だけど、ちょっと知っとくと曲作りに行き詰まった時に選択肢が増える
けど知りすぎちゃうとそこにハマっちゃう気がする。
だからかじる程度に勉強して
これどうなってこういう理屈なんやろ?
みたいなことを後で酒飲みながら山下君と検証するくらいが楽しい。

曲はすんなり出来たんだけど
歌詞が全然書けなかった。
書けなすぎてのたうちまわっていた。
やっと書けた歌詞で
2004の11月2日
下北沢CLUB Queにて
おんがくしあわせっていうイベントをやったんだけど
(根岸さんのバンド、Dr.StrangeLoveをゲストに呼んだ)
そこで初披露した。
けど、全然納得いかなくて
全部一から書き直した。
幻のライブ…

ハイライトは最近のお客さんは知らない人もいるかもしれないけど
苦しみぬいて書いた歌詞がたくさんの人に共感されて
ENTRANCEの投票企画の時はなんと
白い声に次いで2位だった。

ハイライトを作った頃は若かった。
あの時思ってたことをすべて吐き出した。
ジョーがウェイトを落とすために下剤を飲んでサウナで倒れた時みたいに搾り尽くした。
あれから時間が経って歳をとって
いろいろ変わった。
誰かに嫌われるのは仕方ないし
俺のことを嫌いな人は
俺の中では存在してないことに思えるスキルも手に入れた。
嫌いなやつには嫌いと言えるし
心にもない言葉で取り繕うこともしなくなった。
そのせいで損をしているのかもしれないし
もっとうまい生き方があるのかもしれない。
それでも俺は俺の思うように生きたいし
誰かや何かのために縛られたくはない。
だけど

誰かにとって何かでありたい

っていう
安くて汚くて醜くてどうしようもなく純粋で真っ当な
ほとんど真理とも思う人間の拭い去れない
この感情は
今もずっと捨てられない。

(Vo.G.小高芳太朗)