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灰空

2002年かなあ
売れそうな曲作ろうぜ!!
って話になって
狙ってポップな曲を作った、と思う。

コード進行で、スリーコードと呼ばれるものがある。
例えばCのメジャースケールだと
C、F、Gがそれで
簡単に言うとこの3つのコードで曲ができちゃうっていう基本的なコードがスリーコード
FとCだけでめちゃくちゃ感動する曲も、才能がある人はできるけども。
で、基本的には曲の頭や終わりははCかFが多い。
着地した感じがあるのは
CはもちろんCだしF(ファラド)にもC(ド)が入ってるから、なんではないか…と思う…
(独学なので理論はわからない…)
逆にGは、開けていって次の展開を予感させる響きなので
AメロBメロサビ、全展開の終わりのコードに使われる事が多い。
だからGは曲の展開の中で頭のコードに使われる事は少ない。
という、前提の上で
当時、ACIDMANが赤橙、アレグロ、造花が笑うの三部作で華々しくデビューして
その中のアレグロのサビのコード進行が
まさにそのG始まりで(キーは違う)
G→Am→Dm→Em→F
っていう
これを繰り返して弾くと
どんどん開け続けていく感覚が凄い。
こんな響きがあったのか!
と、目からウロコだった。
サイモン&ガーファンクルのサウンドオブサイレンスとかもG始まり(キーは違う)で聴いてたけど
自分がギターを弾くようになって
曲を作るようになって
意識して音楽を聴くようになってからは
ACIDMANのアレグロが出会いだった。

という前提からの前提で
灰空はキーがAなので
スリーコードでいうとCに対するGは
AだとEということになる。
なんのこっちゃ?
と思うかもしれないけど
パソコンて便利だなーと思ってる人に
それはこういうプログラムを組んでて…
って説明してるようなものだから
読み流してくれていいです。
(そこまで難しい話じゃないけど)

灰空はサビは普通にA始まりだけど
サビ後半とイントロとBメロとアウトロと2サビ後のDメロが
E→F#m→Bm→C#m→D
っていう、コード進行で
この開け続けていく響きがこの曲のミソで
随所に出てくる。(ていうか、ほとんどじゃないか…)

灰空は地図に収録される時に白い声に続くシングル候補でもあったので
根岸さんにプロデュースしてもらったんだけど
サビが2段階に分かれてるとあんまりキャッチーじゃないと言われた。
でもいい曲と褒めてもらった。

2002年ごろは
どのバンドのホームページにも
BBSというものがあった。
若い子は知らないだろう。
各ホームページごとの小さなツイッターみたいなものだ。
そこに、長い詩みたいなものが投稿されてた。
自分は自分だったはずなのに
いつから青い空は青く見えなくなったんだろう
みたいな
それがとても心に響いて
歌詞にしたいな、と思ってたら
投稿したのが
なんとメンバーの彼女だった。
(誰の彼女か、は、ナイショだ!)
というわけで
了承を得て
そのBBSの投稿を元に歌詞を書いた。

中2感すごいけど
不思議と爽やかな曲なので
未だに年に数回くらいはライブでやってる、はず。
おそらく
桜井さんは嫌いじゃない、はず。

ちなみによく
はいぞら
と読まれるけど
はいそら
が正解です。
当時の先輩でもあり仲よかった友達のバンドマンがつけてくれました。

(Vo.G.小高芳太朗)