ENTRANCE 〜BEST OF LUNKHEAD age18-27〜,  LUNKHEAD曲解説ブログ,  シングル,  地図,  白い声

前進/僕/戦場へ(前編)

2000年春
小高芳太朗、山下壮、合田悟、石川龍
俺らは東京に集結した。

1999年の春に新居浜で
卒業ライブと称して
俺らはLUNKHEADを結成して
一回だけのライブをした。
(ほんとは二回してるけど一回目は公開リハみたいな感じだからドラマチックな感じに見せるために一回だけと謳っている…!)

1年間ブランクがある理由は
今まで散々語ってきたので割愛
満を持していよいよ東京でバンドができる!!
と思った2000年春
しかしどうやったらライブハウスに出られるのかもわからない。
どうやら…オーディションを受けるらしいぞ…
ということで
憧れの下北沢屋根裏にライブ音源のテープと書類をさっそく送った。

連絡を受けた龍から電話があった数日後
俺は、例の僕と樹の桜の前のベンチにいた。
龍は、審査に落ちた、と伝えた後
言いづらそうに
落ちた理由はボーカルがヘタすぎるから、という内容を
とてもオブラートに包んだ言い方で伝えてくれた。

ちなみにバンドを続けて20年の中で
オーディションライブのテープ審査で落ちた
という話は聞いたことがない。

愕然とした。
もうダメだ、打ちのめされた

その瞬間、あのサビが降りてきた。

もうだめだ打ちのめされた そこが僕の始まりだった
誰もいないこの場所で独りきりで誓いをたてた

そこから、忘れないようにずっとブツブツ歌いながら上井草のアパートに帰った。

ふつふつと、メラメラと
得体の知れない感情が燃え上がっていた。
このやろう
まだなにも始まってすらいないのに
このまま終わってたまるか

そんな感じで
この曲は爆誕した。

そして俺らは
バンドと言えば合宿だろう!!
と、安直な発想で
軽井沢へバンド合宿に向かった。
8月だった。

合宿施設のある軽井沢のスタジオは
どこぞの大学のバンドサークルの合宿と被っていて
やつらは夜な夜な酒池肉林の阿鼻叫喚
暴れまくり騒ぎまくり
トイレでは吐きまくり
きっと隠れてやりまくり
本当に、バンドサークルというものはろくでもないという独断と偏見だけが俺らに植えつけられた。

俺らと言えば
昼は粛々とスタジオに入り
夜は缶ビールでおつかれ乾杯したら
粛々とミーティングをして寝るというストイックな日々
マジメか。

あの頃俺らはきっと今ほどチームではなかった。
よく付き合ってくれたなあ。
と、今となっては思うけど
それどころじゃないことがこれから山のように待っていることをこの時の俺らはまだ知らない。

そして、サビしかなかった残りの歌詞を俺は夜な夜な書いていた。
俺が歌詞を書いている時
他のメンバーはテレビを見ていた。
HEY!HEY!HEY!で
SPEEDがWhite Loveを歌っていた。
夏なのに。
いい気なもんだなあ!
と、だんだん腹が立ってきて
聴こえてくるWhite Loveをギターで耳コピしてたら
あいつ耳コピしよるで〜笑
と笑われた。
よく覚えとるな俺。

そして最終日
スタジオの簡易レコーディングシステムで
僕と樹と、前進/僕/戦場へをレコーディングした。
レコーディングした、というほどのものでもないんだけど。

それをひっさげて
俺らはもう一度下北沢屋根裏にテープと書類を送った。

無事にテープ審査が通り(普通だ)
オーディションライブが決まった。

2000年の12月24日だった。

(Vo.G.小高芳太朗)