「千川通りは夕風だった」,  LUNKHEAD曲解説ブログ,  シングル

夕暮れの

2002年の夏だったかなあ?
できたのは。
Aメロはモロパクリと言われていいほどに
くるりの東京のAメロと出だしが同じ
そしてリフとAメロのリズムパターンが
これまた偶然なんだけど
RADIOHEADのエアバッグとまったく同じ。
そして俺のバッキングはメジャー7thを使ってるところにぶち込まれる山下君のマイナー7thリフ。
ほんとはアウトだけど
若気の至り
若さゆえの閃き

未だに、ミニマムな世界でしか歌詞を書いてないけど
これもやはり上井草に住んでいた時で
上井草で毎年、商店街とも言えないような小さな商店街で
小さな小さな夏祭りが行われていたのです。
地元の、女子中学生が頑張って浴衣を着て
商店街の親父さん達は夕方にもなると
本部のテントで酔っ払ってて
楽しそうで
お世辞にも豪華とは言えない
ほんの小さな
手作りのお祭りで
だけどみんな楽しそうで

あの日の浴衣の少女が
未だに目に焼き付いてるんだなあ。

毎日毎日、なんでもない日々が過ぎて
ろくでもないことだけ起こって
いいことなんてそんなになくて
つまらない昨日が積み重なって
明日もしんどいことしかなくて
それでも人は
こうやって小さな小さな幸せを
自分の手で生み出して
抗って生きてくんだなあ
と思うと
そのお祭りの景色が
浴衣の少女が
酔っ払ってるおじさん達が
美しくて美しくて涙がこぼれた。

明大前のドトールの
外にテーブルが当時置いてあった。
早めの練習後
みんなでコーヒーを飲んでた。
夕暮れ時だった。
幸せと不幸せって足したらゼロになるんかなあ?
と俺はなぜか悟に聞いた。
悟は
そんなわけないからみんな幸せを追いかけて生きていくんやない?
と答えた。
真っ赤な夕焼けの中で。

あの日の少女は
おじさん達は
今も元気だろうか
幸せだろうか
なんてことを未だによく考えてしまう

 

(Vo.G.小高芳太朗)