「千川通りは夕風だった」,  LUNKHEAD曲解説ブログ,  シングル

ランドリー

ランドリーができたのは結構遅めで
2003年の梅雨時だったと思う。
サビが出来てAメロが出来てBメロが出来てと
順番に出来ていったと思う確か。
Aメロのリズムは、全然違う感じだけど
ミッシェルガンエレファントのアウト・ブルーズのドラムパターンをかなり意識している。
ほんと曲が全然違うのでまさかそんなところからとは誰も気づかなかったと思うけど

この曲もやはり初披露ライブの前の晩に夜なべして歌詞を書いていた(そんなんばっかしや…)
ちなみにそのライブが清水JAMJAMJAMだったので
朝、出発がかなり早くて
マズいなあ…と、だいぶ焦っていた。
窓の外では雨が降っていた
長いような短いような静かな雨の降る夜だった
お!
眠れない僕は暗い部屋で雨の音を聞いていた
おお!?
雨音以外はなんにも聞こえんほんとに静かな夜だった
あれ?書けてる?
煙草がチリチリ燃えてる音さえ聞こえてきそうなもんだった
とまあ、こんな感じで聞こえてくる音をひたすら言葉にしていったらなんとか間に合った、みたいな。

「無性に人恋しくなるようなそのくせ独りがいいような」
ってところに、未だに自分で自分によく共感している。

歌詞、とても気に入ってるんだよなあ。
ただあの夜の事を徒然と歌ってるだけなのに。

歌詞というのは書けてしまうと俺の場合は
まるで最初からそこにあったかのようにそこにあるので
あの夜、雨が降ってなかったら違う歌詞になっていたのだと思うとなんだかパラドックスというか
不思議な気持ちになる。

この曲はビクタースタジオでプリプロをさせてもらった。
今度デビューするエンジニアさんの練習台として
そして俺らも広いスタジオでのレコーディングの練習って事で。
その時にアシスタントエンジニアをしていたのが
後にメメントモリ、家を録ることになる
クワ万次郎先生であった。
そしてまだタイトルが決まってなかったので
ミックス待ちの間にみんなで考えていた。
多分龍が言ったのかな?
なんとなくランドリーという言葉の響きがしっくりくる気がした。
ん?歌詞と全然関係ないと思ってたけど
「あの頃僕には洗われたいほど汚れたものなどなかったか」
ってちゃんと歌ってるな。
今気づいた。
めちゃくちゃ洗われてるじゃん
うーん、、秀逸なタイトルじゃないか…!(おそっ)
まじでビビった。
16年目の真実。
もしかして、みんなとっくに気づいてた?
いやーそんな事もあるんですね。

ジャケットのランドリーの写真は
上井草のコインランドリーで
よく洗濯物とギターを持って行って
ランドリー回してる間にギターを弾いていた。

ちなみに、表1の写真も上井草の街なんだけど
これ実は、夕方の写真じゃなくて
大阪ライブの日の早朝集合の時に
当時まだ一眼レフで写真を撮っていた俺が電車乗る前にパシャっと撮った
朝の写真なんです。

ジャケット作る時に、夕方の写真が一枚もなくて
この写真だけあって
だけど昔、金田一少年の事件簿で
朝焼けも夕焼けも光学的には違いがない
というのを読んだ事があったので
朝の写真でもいいんじゃないか?って言って
こうなりました。
時間もなかったし。
今みたいにデジカメで撮ってデータでピピっと送信〜みたいな時代じゃなかったもんな〜
フィルムカメラで撮って現像して
ブツを手渡すなり郵送するなりしなきゃだったもんな〜
楽だけど味気ない時代になったもんだ。

そんなわけで
あれは上井草の東の空ってーわけです。

 

(Vo.G.小高芳太朗)