LUNKHEAD曲解説ブログ,  アルバム,  影と煙草と僕と青

物思いに耽る庭

夜寝ている時に突然リフが降ってきて
飛び起きてギターを弾いた。
2001年だと思う。
EM7 GM7 DM7
の繰り返しっていう
これまた今だったら絶対思いつかないような
理論もへったくれもないようなヘンテコなリフだけど
なぜか心地よい。
なぜだろう?
そして初めて転調を使ったような気がする。
AメロはGメジャースケールで
サビはEメジャースケールなんだけど
サビ前のコードが
EmからEに変わるところが
すごく強引な展開の割にとてもスムーズにサビに入っていくので気に入っている。
リフもそうなんだけど
当時メジャーセブンスに凝っていたので
サビの頭なんかいきなり
「なのにー」の、にーのところがD#っていう
めちゃくちゃ不安な展開なんだけど
それがあのメローでダウナーな雰囲気にうまく繋がってるんじゃないかと思う。
いろんなことがうまく噛み合って
よくできた曲になった。まぐれだけど。
歌詞は、みんな知ってる贈る言葉の
人は悲しみが多いほど人には優しくできるから
って歌詞に対して
そんなやつばっかじゃないやろと思いながら書いた気がする。
俺は自傷癖はないけれど
自分の血を見るのは結構テンションが上がるタイプで
血液検査だったり、うっかり指を切ったり鼻血が出たりした時に、綺麗な赤だな〜と思いながら自分の血をじっと見つめてしまう。
血液の少し暗い、深い赤がいちばん好きな赤色だ。
どんなに腐ったやつも美しい人間も
みんな平等にこんな綺麗な赤い血が流れてるんだなあ、みたいな
そんなことを考えていたと思う。
この曲あたりが、LUNKHEADは歌詞が暗いとか鬱バンドとか言われていくようになった最初だと思う。
当時(2002年頃)下北沢のハイラインレコードで
物思いに耽る庭と白濁の2曲入りのカセットテープを委託販売してもらってたんだけど
ありがたいことに飛ぶように売れた。
ただ、カセットなのでCD-Rと違ってダビングに時間がかかる。
安いカセットテープを仕入れてはメンバー4人で手分けして毎週のように何十本もダビングして納品していた。
独り言と同じく、下北沢の街でLUNKHEADってバンドが認知されていったきっかけになった大事な曲だ。
ドラムで繋げやすいってのもあって
未だにライブでも割とよくやる。
ワンツアーに2回くらいやってる気がする。
良いメロディだなあ〜と未だに自画自賛してしまう。
この頃はまだ、悟のベースラインに可愛げがある。
アウトロの山下君のギターソロもなんのひねりもないドペンタトニックで可愛い。

(Vo.G.小高芳太朗)