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SHIBUYA FOOT

ついにSHIBUYA FOOTの回が来てしまった。
はっきり言おう。
ナンバーガールのオマージュだ。
それも、おそらくみんなが思ってる以上に
実はナンバーガールだ。
それをすっかり吐露してしまいたい。

イントロの出だしのベース
一風変わった音像に聴こえるはず。
マスタリングエンジニアの白石さんも
あの、ベースのゴリゴリした音どうやってるの?
と気になっていた。
あれはナンバーガールの
EIGHT BEATERという曲の奏法を真似しているのだ。
コード的にはC#m A E Bなので
ベースの3弦4フレット、開放、7フレット、2フレットを使って
ジャジャジャジャッジャジャッジャジャジャジャッジャジャッ
と弾くわけだけど
ここで実はずっと4弦開放Eが鳴っている。
この4弦開放の鳴りがドスの効いたロー感と
独特の音の歪みを産み出している。
が、悟はベースを今でも毎日3〜4時間練習する。
あまりにも練習しすぎているために
ベースの基本である、3弦を弾く時は4弦を確実にミュートして音が濁らないようにする技術が体に染み込みすぎて
逆に4弦開放を同時に弾くのがめちゃくちゃ難しいと言うのだ!
そこでどうしたかというと
練習してもらった。
以上。

そしてAメロ
誰もが気づいたかと思うけど
完全にTUESDAY GIRLである。
狙ったわけじゃなく、たまたま…なんだけど…
ほぼコピペの領域と言っても過言ではない…

さらにギターリフ
山下君も乗っかってきた。
00:12あたりから入ってくる高い音の
ペロッペロッとしたフレーズ
あれはTATOOありという曲のなかに出てくる
ひさ子ちゃんの名フレーズを
やはりほぼそのまま使っている。
いや、使わせて頂いている。

サビこそメロディはナンバガ感はそんなにないけど

幻想 妄想 手の鳴る方へ
先の見えない一方通行
脱走 逃走 手を取り合って
もう戻れない一方通行
幻想 妄想 一方通行 脱走 逃走

これはもう完全に
狂って候にインスパイアされている事は一目瞭然である。
狂って候といえば
URBAN GUITAR SAYONARAの歌詞にも出てくるし
ナンバーガールのオフィシャルサイトの名前でもあった「狂う目」(久留米とかけている)など
狂うという言葉がナンバーガールにはよく出てくる。
そしてナンバーガールといえば
シブヤROCKTRANSFORMED状態の影響なのか
俺の中ではシブヤのイメージが強い。
なので俺にとってのシブヤを歌詞にしようと思った。
さらにナンバーガールの最後のライブとなった
2002年11月30日
札幌PENNY LANE 24での
透明少女前の向井さんの名MC
「嘘〜っぽく嘘〜っぽく笑う女子は
おりぃ〜ますよねぇ〜
おりますさぁ…おいおい…
嘘っぽく笑っとるつもりがこれ全部見え見えなんよねこれね〜
でもそういう女子はぁ、まあ嫌いでも好きでもないねぇ
そんな彼女が透明少女なわけよ」
このMCをしている向井さんの目が完全にキマっててバリヤバい。
そうやって冒頭のAメロの歌詞は産まれた。
これらのことを意識したわけではない。
ナンバーガールというキーワードで
体に染み込んでいた情報が自然に出てきて
後で答えあわせした感じだ。

あと、地味にオマージュなんだけど
2サビ後やあやあ皆様に入る直前の
ンチャチャッチャチャッ
っていうキメ
OMOIDE IN MY HEADのあの有名なキメなんだけど
デモ作った時にふざけてそうやったんだけど
アレンジしていくうちに変わるだろと思ってたら
なぜか最後までそのまま残ってしまった。

最後にタイトル
これは山下君が考えたんだけど
SHIBUYA FOOTという響き
これもまたすごいナンバーガールっぽい。
foot itで踊るって意味で
footだけでも踊るのスラングになるらしい。
さすが英文学科。
シブヤが踊ってる感じ
まさにこの曲通りの感じだ。
あの、なんかある度にバカ騒ぎする
シブヤ駅前のスクランブル交差点
世界でいちばん忌み嫌う光景

お解りいただけただろうか。
これだけ盛りに盛ったら
逆に許されるんじゃないだろうかと思ったんだ。
アジカンだってNGS(ナンバーガールシンドローム)って曲あるし
解散してもう16年も経つし
もうこういう曲を作っても時効だろうと思ったんだよ…
そしたらまさかのナンバーガール復活…!!!
お、おおお……
俺らのレコーディングがあと2ヶ月遅いか
ナンバガ復活の発表があと2ヶ月早かったら
この曲は産まれてなかったかも…しれない…

あと最後に
これはナンバガ関係ないんだけど
2サビ後のやあやあ皆様のところ
どうせ暇つぶしのところから
雰囲気が変わってるのが解るだろうか?
ここずっと同じメロディで
シレミファ#ミレシラシレミファ#ラファ#ミレ
シレミファ#ミレシラシーレーミーファ#ー
っていうメロディなんだけど
実はメロディはまったく同じまま途中から転調している。
DメジャースケールからGメジャースケールへ
これも下属調というやつで
ここの雰囲気やアレンジはすごく気に入ってるし
シブヤの駅前で踊り狂う魑魅魍魎を皮肉った歌詞もこの曲のスパイスになってていい。

SHIBUYA FOOTライブでどうなるんだろうか。
盛り上がるんだろうか。
盛り上がって欲しいなあ。
こればっかりはどう育つのか
やってみないとわからない。
案外そんなにウケないで
消えていった曲たちのなんと多いことか…

(Vo.G.小高芳太朗)