月と手のひら
月と手のひらは最初にアルバムのタイトルとしてできた後にこの曲のタイトルになった。
月と手のひら
まるで触れそうに近くに感じるのに
本当はとても遠い
その象徴が月と手のひらだった。
そしてこの曲に込めた想いは
アルバムのタイトルに込めた想いの続きで
この手のひらは月には届かないけど
君に触ることができる
君の手を握ることができる
君を守ることができる
そういう想い。
月光少年で
空に光る月でさえもこの手に掴めるような
そんな気持ちだった少年が
さよならも言えなかったり
君のその手の温かさに心から思ったり
酒飲んで寝るだけだったり
優しい言葉はひとりごとでしか言えなかったり
三分空の青を見つめたり
ショーパブ行って感動したり
死にかけの蝉で感動したり
雨降りの夜に逃げ出したかったり
弱い醜い心を偽ったり
いろんなできごとがあって
いろんなことを知った末に
月と手のひらにたどり着いて
月を掴むことはできないその手で
君の手を握る
そこでやっと
月と手のひらっていうアルバムが完結する。
大きなひとつの物語だったのです。
月と手のひらというアルバムは。
みんなきっと少しだけ人より幸せになりたいだけ
と、よく思ってた。
争いが起きる理由
憎しみや悲しみが生まれる理由
みんなが幸せに越したことはないけど
まったく知らない人よりかは
自分の大切な人に幸せになって欲しい
それが自分の幸せでもあるから
あたりまえの感情だけど
人が争うなんて結局はそういうささやかなことが火種なんじゃないかと。
それが燃え上がるともう自分でも止められなくなってしまうのだけど。
この曲はボビーに娘ができた時に
ボビーへのプレゼントのつもりで作った。
曲も詞もすぐできて
多分1時間くらいでできたと思う。
イメージがしっかりあったので
アレンジもスムーズだった。
けど、今聴きかえすと結構凝ってるなあ…
なので、これは父と娘の物語なんだけど
あんま親子感あるのもな、と
恋愛の歌にも聴こえるようにした
つもりだったけど
やっぱ露骨に親子の歌になっちゃったな
と思っていたら
いつか君のその手は
違う誰かを幸せにする
その未来へ君を送り届ける
手をつないで
という歌詞
これは自分が君に出会えたのと同じように
君もいつか君にとっての「君」に出会えますように
そして、その時まで
君を守るっていう
つないだ手に
祈りと誓いを込めた歌詞だったんだけど
当時山下君が付き合ってた彼女が
この曲を聴いて
恋愛ソングだと思って
「そんなの悲しすぎる」
と泣いてしまったんだとさ
ははは
(Vo.G.小高芳太朗)